遠藤誠建築設計事務所 MAKOTO ENDO ARCHITECTS

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MAKOTO ENDO
ARCHITECTS

猪名川霊園 <前のページ 次のページ>

猪名川霊園 礼拝堂の背面

礼拝堂全景

礼拝堂の入口

猪名川霊園 休憩棟

エントランスにある水盤

旧山邑邸(ヨドコウ迎賓館)にて

2024年12月10~12日
 
今年の所員旅行は、大阪~神戸界隈の近作建築巡りと有馬温泉、などでした。一番のお目当ては猪名川霊園の建築群、英国出身の建築家デイビッド・チッパーフィールドの作品です。実は私、昔からかなりチッパーフィールドのファンでして、学生時代には日本のプロジェクトをいくつか見て回っていましたし(3案件ほどですが…)、割と高額の作品集なども入手(今ではかなりプレミアがついている模様…)。それからしばらくはちょっと名前を聞かないな~と思っていたところ、2023年にプリツカー賞(建築界のノーベル賞と称されています)を受賞されたことを聞き、また日本でもこの霊園の礼拝堂などが完成していたとのことで、満を持しての視察です。
 
猪名川霊園 礼拝堂・休憩棟>2017】 
事前に見ていた写真などからもある程度想像していましたが、これまで私の見たチッパーフィールドの作品と比べると少し違った印象です。上品さと力強さを併せ持つモダン建築であることは以前と変わらないですが、素朴さや大らかさが増して、その地に自然と佇むような、そしてゆったりした時間が流れるような感覚。そこにはこの建築群の中央にある「山草野の庭」や、礼拝堂の両サイドにある「樹々の中庭」と対峙する空間の設えが効いているように思われ、日本古来の「庭屋一如(ていおくいちにょ)」に通じる精神をチッパーフィールド自身が嗅ぎ取っているのではないかと想像しました。 
余談ですが、個人的にこれまで国内のチッパーフィールド作品で、唯一気になっていたのが、建築の劣化、汚れなど。初期の作品は日本の風土をなどを熟知していなかったこともその理由かもしれません。しかし、今回の猪名川霊園はその経年変化も含めて長い期間、慈しむことができそうです。
 
その他大阪~神戸界隈で見た建築は、以下など
大阪中之島美術館>2021 遠藤克彦】  
藤田美術館>2020 大成建設】
竹中大工道具館>2014 竹中工務店】  
六甲枝垂れ>2010 三分一博志】  
旧山邑邸(ヨドコウ迎賓館)>1924 F.L.ライト】  
最後の山邑邸は近作ではありませんが…、何度見てもイイ!2018年に何度目かの保存修理工事をしたそうで、更に美しさを増した印象です。一番下の写真はその玄関サイドで並んでパシャリ。
 
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