遠藤誠建築設計事務所 MAKOTO ENDO ARCHITECTS

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MAKOTO ENDO
ARCHITECTS

佐川美術館茶室と八勝館 <前のページ 次のページ>

佐川美術館 正面ファサード

佐川美術館 茶室外観

商店街HOTEL講大津百町  萬屋

八勝館御幸の間 外観

八勝館御幸の間 内観

2019年12月20日~21日

平均すれば年一ぐらいのペースで所員旅行?なるものをしています。それらの情報をこのコラムに載せるのは2015に俵屋に宿泊した京都旅行>以来となりますが、この度も年の瀬も押し迫る中、近江の国へとレンタカーを走らせました。

 
佐川美術館茶室>2007 樂吉左衞門 竹中工務店】
旅行初日の目玉は滋賀県にある佐川美術館、特に増築された茶室(樂吉左衞門館)を是非一度体感したいと、見学予約をした上で訪れました。樂氏の「好み」の世界ですね。ジンバブエ産黒御影の原石や世界各所から集めた木の古材など、力強い素材にこだわったクールな世界ですが、一度水面下に潜ってから浮上するという劇的なアプローチも相まって、とても刺激的な空間体験でした。先日訪れた地元小田原の江之浦測候所>にも通じるものを感じ、個人的には比較してしまいましたが、ストイックな分、私としてはこちらの「好み」の方が好きかもしれません。なお館内は撮影禁止であったため、各種サイトなどを参照ください。
 
商店街HOTEL 講 大津百町>2018 竹原義二
宿泊は大津市の商店街にある町屋を改修した一棟貸しのホテル「講」にお世話になりました。我々の宿は7棟あるうち長等(ながら)商店街にある「萬屋」でしたが、「当たり」だった気がします。ちょっとだけ、各種仕上げや家具、照明などの種類が多過ぎる気もしましたが、デザインの力を一般の宿泊客にアピールしたいという思いを考えれば致し方ないかもしれません。併せてこれから建築家がでできる「こと」、などについても考えるよい機会になればと思います。
 
 【八勝館 御幸の間ほか>1950 堀口捨巳】
翌日は名古屋まで戻って堀口捨巳の代表作、料亭「八勝館」でランチと意気込みました。ただし5名での予約のため、お部屋は堀口さん設計では無い「松の間」(少人数向き、これはこれで素晴らしいですけど)。ところが!食事中お部屋にいらした女将さんに、建築に携わるもので東京から来たことなど話したところ「御幸の間」を含めたまたま空いていたお部屋や、庭なども見学させていただくことに。ラッキー!庭と建築との調和のすばらしさはもちろんのこと、御幸の間ではやはり名作建築の写真集などで何度も見ていた4間もある床の間に目がいってしまいます。そしてこの床廻りの飾り、特に生け花がいいのです。あの上品さを固めたような女将さんが活けたんだろうな~。空間のバランスを考える上ではとても勉強になる気がして、ちょっとお花をやってみたいとも思いましたが、無理かな~、正座とかできないし…。
 
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