遠藤誠建築設計事務所 MAKOTO ENDO ARCHITECTS

遠藤誠建築設計事務所
MAKOTO ENDO
ARCHITECTS

LA建築ツアー <前のページ 次のページ>

ブラッドベリ―ビル

ホリーホックハウス

ルドルフ・シンドラー自邸

フランク・ゲーリー自邸

ゲッティセンター

ウォルトディズニーコンサートホール

ザ・ブロード

2025年8月30日~9月3日
 
久しぶりの海外旅行です!目的はご多分に漏れずドジャーズ、大谷くんの観戦なのですが、設計屋の性分として、少しだけLAの滞在を伸ばして建築巡りを決行。左記の写真は竣工年順で、ひとことずつですがコメントします。 
 
ブラッドベリービル 1893 ジョージ・ワイマン】 
建築としてよりも、映画のロケ地としての方が有名かもしれませんね。「ブレードランナー」をはじめとする多くのハリウッド映画の撮影に使われました。でも建築としての見ごたえも十分で、特に建物中央にある吹抜空間は圧巻。むき出しのエレベーターや階段、廊下廻りのアイアンワークの装飾、それらをトップライトから注ぐ自然光が美しく照らしていました。
 
【ホリーホックハウス 1921 フランク・ロイド・ライト】
残念ながら私が視察可能な日程期間はいずれも休館日(開館は木曜日~日曜日の11時~16時)、中に入ることはできなかったのですが、外からだけでも!とホリホックハウスのある丘に上がりました。2019に世界遺産として登録されたライトの8建築群のうちのひとつ。ライト建築の中でも芦屋の山邑邸と並んで、最も装飾が強いんじゃないでしょうか?因みに以下で取り上げるシンドラーがライト事務所でこの案件の担当だったようです。自分の家はかなり素朴な感じなんですけど…、その辺りの対比も面白い。
 
【ルドルフ・シンドラー自邸 1922】
多分、自分は好きそう!と前々から思っていましたが、やはり!でした。左の写真は浴室廻り。あまり作品集などでも見ないカットですが、プレキャストコンクリート素材感があって、いい感じです。シンドラー邸については別途 ブログ>を書いており、写真も多く掲載しているのでよろしければそちらもご覧ください。開館は水曜日~日曜日の11時~18時で拝観料は大人$10、ネットによる事前予約が必要です。
 
【フランク・ゲーリー自邸 1979】
建築ツアーはLA在住の前に勤めた設計事務所の先輩とご一緒させていただいて、車で巡ることが多かったのですが、そこで先輩からこの住宅のありかを教えてもらいました。ちょこっと外から見ただけですが、何かとても懐かしい感じが…。大学に入りたての頃に建築雑誌でこのゲーリーハウスを見て、何だこれは?と思ったことを思い出しました。その時も今もゲーリーに共感する部分はほとんど無いのですが、やっぱりその時のインパクトが大きかったのかな?
 
【ゲッティセンター 1997 リチャード・マイヤー】
逆にマイヤーは好きでした。あのマイヤー独特の曲線を、学生時代、製図の課題でパクった記憶も。でもゲッティ―センター辺り以降からはあんまりマーヤーのことを追っかけなくなくなってしまったかな…。この美術館はめちゃくちゃでかく、展示の数も半端ない、にもかかわらず何と無料!(ゲッティ財団、流石太っ腹!)また、丘の上の立地で眺望もすごくいいので、景色を見るだけでも行く価値ありです!月曜以外はOPENですが、予約は必要。
 
ウォルトディズニーコンサートホール 2003 フランク・ゲーリー
これは数十年前、カーン建築を巡る旅の最後にLAの空港から岐路に付く直前にも見学してましたが、となりの敷地に以下で紹介するザ・ブロードができたりしたせいか、ちょっと印象が変わった?或いは当時自分がこういう建築を毛嫌いしていた感じもあったので、それが少し薄らいだ?歳のせい?いずれにしましても文化施設の集まる(磯崎さんのMOCAもすぐ斜め向かい)サウス・グランド・アベニューを、当時よりもゆったり、のんびりした気持ちで歩ける感じがしました。
 
【ザ・ブロード 2015 ディラー・スコフィディオ+レンフロ】
こちらは比較的新しい美術館で、ゲッティ―などに比べるとコンパクトなサイズですが、現代アートに特化しているので展示もかなり楽しめます。建築はハニカム構造の表皮が覆っていますが、中の低層部は洞窟のような設えで、そこから上部に行くとホワイトキューブ、という明快な構成。現在の技術がふんだんに使われた建築だと思いますが、コンセプトが分かり易い分好感度は高いです。因みにこちらも入館無料ですが要予約、月曜定休。2028年の開館を目指して増築が行われるようです。(こちらは上記の洞窟のような部分が外部まで出てくるような感じ)
 
ということで、駆け足ですがいくつか見て回った建築の紹介でした。しかし一番見たかった「イームズ自邸1949」は今年1月のロス火災の影響で今だ見学できず、もうひとつお目当てだったレンゾ・ピアノ設計のカウンティ美術館(LACMA)も、となりで新本館(こちらはピーター・ズントーの設計、来年竣工予定)の工事をしており、どうせならまとめて見たいなと。ということで近いうちにまた渡米するかもしれません…。
 
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