遠藤誠建築設計事務所 MAKOTO ENDO ARCHITECTS

遠藤誠建築設計事務所
MAKOTO ENDO
ARCHITECTS

群馬南部建築ツアー <前のページ 次のページ>

録ミュージアム外観とマイカー

録ミュージアム内観

太田市美術館・図書館

白井屋ホテル

JINS PARK 前橋

旧井上房一郎邸

2023年2月4日~5日
 
個人住宅の設計をしているので、どうしても土日の打合せとなることが多いのですが、珍しく完全土日フリーとなった週末、年末買ったマイカー>でドライブがてら、群馬県南部を中心に比較的新しい建築を巡ってきました。
 
録ミュージアム>2017 中村拓志】 
最初に訪れたのは栃木県小山市にある私設ミュージアム&カフェ。とても小さな建築ですが、コンセプトが明快で前から気になっていました。木々の間を縫うような建築フォルムで、低い入口を入ると柔らかくチャーミングな空間が広がっています。奥のカフェへ進むとそこではじめて人に会いました。女性、多分オーナー、気さくにこの建築のお話しなどしてくださりました。その後シェフでもあるその方に日替わりランチをオーダー。おいしい、ただちょっと尋常ではない品数なので、訪れる方は腹ペコ必須です。
 
太田市美術館・図書館>2017平田晃久】
ここ数年のうちではとても評価の高い公共建築です。ただし、個人的には写真などを見る限り良さがどうもわかりにくいというか、いつも平田さんの建築はごちゃごちゃな感じがして…。現地に言ってみて、はい、よくわかました。立体的に回遊することが全て、しかも外部空間までこれでもかと徹底しており、なるほど!やろうとしてることはむしろシンプルで好感が持てます。動線的な空間を賑わいにつなげるようなコンセプトはこれまでも数多くあったと思いますが、その中では群を抜いているのではないでしょうか。それにしてもこの設計担当者は大変だったろうな~、どこをとっても同じ納まりは無いので図面は半端でない枚数だろうし、バリアフリーや建築法規的にクリアするための対応とか申請とか…、頭が下がります。
 
白井屋ホテル>2020(リノベ) 藤本壮介】 
更に群馬県南部を西へと車を走らせ前橋に、ここで一泊することにしました。先日購入したカーサブルータスの「建築を巡る旅」>にも出ていた白井屋ホテル、と言っても流石に当日予約はできないので、私は安宿にチェックインしてから至近のこちらを訪れました。一部丘のような建築も増築してますが、メインは古いホテルの大改修部。ロビーの一部までしか入場できないので何とも言えませんが、確かにアートや緑で艶やかに、でも街の再生にうまく繋がるか?というのも、この界隈の衰退が予想以上に深刻で、このPJ自体ショック療法的な感じが…。上記のカーサブルータスを読み返すと「新しい手法による地方創生の波」が大きなうねりとなりつつある、とのこと。いずれにせよ「前橋」はちょっと注目だと思ってます。
 
JINS PARK 前橋>2021 永山祐子】 
こちらも前橋の活性化活動の一端を担うPJ。前橋の中心から少し離れた(車で15分くらい)メガネ屋さん+パン屋さん+テラスなど、に翌朝訪れました。開店時間ジャストについてしまったのでお客さんはまだおらず、感じがつかめなかった…。
 
以上の建築、設計者は個人名を記しましたが、実はこの4人いずれも私より年下です。業界的に経験がものをいう=年配者が多いイメージですが、ここに記した人たちをはじめ若い世代も台頭してきています。ただ何となく個人的にはしっくりこない感じが…前々から自分より少し下の建築家とジェネレーションの溝がある気がしていて、私はどちらかというと上の世代の建築に共感することが多いのです。(単に私の感度が古いだけ?とも言えるのかもしれませんが…)
 
旧井上房一郎邸>1952 アントニン・レーモンド】 
その点でも最後に訪れた高崎の井上房一郎邸、これまで何度も見学させていただいてますが、いつも良いなーと安心しきってその空間を体感できます。鎌倉近美と並んで、私の志す建築デザインの基軸になっていると言ってもいいかもしれません。
 
<前のページ 次のページ>